2017年3月5日(日)、関西大学梅田キャンパスにて、活動理論学会春季研究発表会を下記の通り開催いたします。ご関心をおもちの皆様のご参加をお待ちいたしております。
・日時: 2017年3月5日(日)13:00-16:50
・場所: 関西大学 梅田キャンパス 705号室
・参加費: 無料
【プログラム】(敬称略)
《研究発表》
13:00-13:50
・百合草禎二(常葉大学名誉教授・主体科学としての心理学研究所)
「文化歴史学派とハリコフ学派との関係―ヴィゴツキー理論と活動理論を繋ぐ道―」
14:00-14:50
・森川 由美(明治学院大学等非常勤講師)
「活動理論からみる研究授業の変容」
15:00-15:50
・伊藤 大輔(金沢工業大学)
「中学校・高等学校における学級力向上プロジェクトの新展開に向けて―チェンジラボラトリーとしてのスマイルタイムの構想―」
16:00-16:50
・山住 勝広(関西大学)
「活動理論の視点に立つ学校カリキュラムと教育方法の探究」
【研究発表の概要】
・百合草禎二「文化歴史学派とハリコフ学派との関係―ヴィゴツキー理論と活動理論を繋ぐ道―」
活動理論がヴィゴツキー理論から派生したという考えは、エンゲストロームはもとより、レオンチェフ学派からも主張されていることは、周知の事実である。とくにレオンチェフ学派からの主張のなかに、ヴィゴツキー理論をウクライナのハリコフでの研究の中で継承したというものがある。あまり紹介されることのない、ハリコフ学派の研究を取り上げることによって活動理論とヴィゴツキー理論との関係を読み取っていきたい。
・森川 由美「活動理論からみる研究授業の変容」
公立中学校における校内研究全体会の観察や教員への聞き取り調査から取得したデータを使用し、校内研究における研究授業のありかたの変容を分析した。かつては、研究授業を参観する教員は授業者から学ぶとともに指導的意見を述べる役割であった。しかし、現在では研究授業中の生徒の学びを見取とるという授業者の共同研究者というべき位置づけに変化している。こうした変化が教員の授業方法に対する「ゆらぎ」による矛盾と捉え、この矛盾をエンゲストロームの拡張的学習論により考察したい。
・伊藤 大輔「中学校・高等学校における学級力向上プロジェクトの新展開に向けて―チェンジラボラトリーとしてのスマイルタイムの構想―」
学級力向上プロジェクトとは、田中(2013,2014)による新しい学級づくりの手法である。児童生徒が「学級力アンケート」と呼称する調査を実施し、その結果をレーダーチャート形式で可視化して表現する「学級力セルフアセスメントシステム」を活用し、学級改善のための主体的な取り組みを構想・実践するプロジェクト学習であり、その中核となる場が、スマイルミーティングである。本発表では、実践事例の分析を通して成果と課題を整理するとともに、チェンジラボラトリーとしてのスマイルタイムの構想を提案したい。
・山住 勝広「活動理論の視点に立つ学校カリキュラムと教育方法の探究」
伝統的に学校教育に見られる教師と子どもの活動の分離・隔絶を乗り越え、対象の共有によって協働の活動を生み出していく授業実践について、活動理論の視点から検討したい。とりわけ、第1に、教師と子どもが協働する授業の「活動システム」の本質的な特徴を、学ぶ行為に対する「主体性」を教師が子どもに「移譲」し、子どもの「主導権」を支援するという点に見出していく。また、第2に、子どもたちの学習を「矛盾」の解決過程として生み出していくような授業のデザインと実践について、「拡張的学習」のモデルを用いて考察する。
参加方法
参加をご希望の方は、次のサイトからお申し込みください。
http://kokucheese.com/event/index/449791/
会場へのアクセス
● 梅田キャンパスへのアクセスはこちらをご覧ください。
関西大学梅田キャンパス KANDAI Me RISE ホームページ
http://www.kansai-u.ac.jp/umeda/index.html
※ 個人情報の取扱について
今回ご連絡いただきます個人情報は、本研究発表会の実施にかかわる事務連絡やご案内以外の目的には使用いたしません。