第7回活動理論学会オンライン研究大会のご案内

活動理論学会では、2021年9月18日(土)、Zoomによるオンラインでの第7回活動理論学会研究大会を下記の通り開催いたします。ご関心をおもちの皆様のご参加をお待ちいたしております。
●日時: 2021年9月18日(土)11:00–17:00
●参加費: 無料
●主催: 活動理論学会
http://www.jarat.org

●プログラム(敬称略)
《研究発表》
11:00-12:00
・伊藤 大輔(秋田県立大学)
「知識の<教育>化に関する一考察:パフォーマンス・モデルとコンペタンス・モデルの活動理論的分析」
バーンスティンは、1990年代に<教育>の内部過程とその変容可能性を視野に入れた理論構築を行い、パフォーマンス・モデルとコンペタンス・モデルの2つを提示した。前者の<教育>言説は、目標化された諸教科とスキルと手続きが特定化された形で現れるのに対し、後者はプロジェクト、課題学習、一連の経験、集団活動などの形で現れる。本報告では、これらのモデルに対して活動システムを用いた分析を行い、形成的介入の方法論構築に向けた論点を探りたい。

《講演》
13:00-14:15
・東 史恵(嘉悦大学経営経済学部)
「ロボットを活用した介護サービスにおける介護職員の変化」
介護現場ではロボットの運用が徐々に広がりつつある。しかし、ロボットは介護施設にとって未知の存在であったり、対照的に万能なイメージを抱かせるもので、時として運用に失敗することがある。そこで、介護施設、開発企業、行政などの協働のもと、運用が進んでいる。こうした協働によって拡張的学習が起き、ロボットの運用や開発・改良が促進し、さらには介護職員の介護に対する意味付けにおいても肯定的な変化が生じている。本報告では、二次データと参与観察の結果から、ロボットを活用することで拡張的学習が起き、介護職員の介護に対する意味付けが変化した経過を報告する。

《シンポジウム》
14:30-17:00
「日本の学校における形成的介入研究の可能性」
・畠山 大(岩手県立大学)
・髙橋 栄介(上越市立大町小学校)
・山住 勝広(関西大学)
「形成的介入(formative intervention)」は、活動理論にもとづく介入の新たな方法論であり方法である。それは、従来の標準的な教育学と教育研究に組み込まれているリニアな介入観、すなわち直接的な「刺激→反応」といった因果図式にもとづく上からの介入のデザインを方法論的に問い直し、転換しようとするものである。リニアな介入観に取って代わる形成的な介入観に立つ学校改革の研究では、教師たち自身が、学校現場において、変化を創造する主導権を握り、学校の未来をデザインし具現化していくような、いわば自分たち自身による協働の介入はいかにデザインできるのかが、根本的な問題となる。つまり、そこでは、教育学と教育研究における因果関係の説明原理として、行為者のエージェンシーに着目した新たな階層が導入されているのである。本シンポジウムでは、日本の学校現場が置かれている具体的な文化・歴史的状況をふまえ、教師たちの自身の日々の教育実践の営みに根ざした土着の感性的・野生的な思考と変革的エージェンシーを高める校内や地域での形成的介入の実現可能性について検討することにしたい。

●参加のお申し込みは活動理論学会事務局(purela.kansai [a] gmail.com)までお願いいたします。折り返し、ZoomミーティングのID等をお知らせいたします。