設立の趣旨
文化・歴史的活動理論(cultural-historical activity theory: 略称CHAT)は、人間の社会的実践を協働的な「活動システム(activity system)」のモデルを使って分析し、人間の実践や発達の社会的・文化的な文脈、諸次元やパターンをとらえ、活動システムの歴史的な発達を理解しようとする概念的な枠組みです。また、活動理論は、日常生活、学校教育、科学・技術、文化・芸術、仕事・組織、コミュニティなど、多様な社会的実践の中で、実践者自身が、自らの生活活動のシステムを分析しデザインすることを助け支援していくためのアイデアやツールを明らかにしようとするものです。

 

過去20年ほどの間、活動理論は、教育と学習の新しいパラダイムを創造してきた、国際的に最もインパクトの大きい潮流のひとつであるといえます。活動理論において人間の教育と学習は、個人の次元ではなく、個人と個人の間やコミュニティの中で、さらには異なるコミュニティの間の相互作用や協働の中で生起することが焦点化されています。つまり、活動理論が創り出すニュー・パラダイムとは、教育と学習を「活動(activity)」、すなわち協働的な実践のシステムとしてとらえ、分析し、実践的に組織化していくものなのです。

 

このたび、こうした活動理論研究を交流する場として、活動理論学会を設立し、様々な社会的実践の中で、新しい生活活動のシステムをデザインし、創り出していくような協働の学習の研究開発を、活動理論を新たな方法論として進展させることができればと思います。

 

学会の主要な活動として、学会誌『活動理論研究』の年に1号の刊行と研究大会の年に1回の開催を計画しています。また、研究会を随時、開催したいと思います。以上のような趣旨にご賛同いただけるならば、どなたでも参加できる開かれた研究交流の場をめざしていきたいと思います。

 

 

会員募集
活動理論学会では、人々の協働による多様な社会的実践活動の創造に向かう活動理論研究の推進と、文化・歴史的な人間活動に関する総合的・学際的な科学研究の発展・普及をめざし、会員を募集しています。

 

年会費の額は、一般会員5,000円、学生会員2,000円で、会計年度は4月から翌年3月までとなっています。

 

入会希望の方は、まずは「入会・お問い合わせ」のページからお申し込みください。

 

 

活動理論学会会則
(名称)

第1条 本学会は、活動理論学会と称する。英文では、The Japanese Association for Research on Activity Theory (JARAT)と表示する。

(目的)

第2条 本学会は、人々の協働による多様な社会的実践活動の創造に向かう活動理論研究を推進し、もって文化・歴史的な人間活動に関する総合的・学際的な科学研究の発展と普及・交流に寄与することを目的とする。

(事業)

第3条 本学会は、第2条の目的を達成するために、次の事業を行う。
(1) 年次大会(活動理論学会研究大会)の開催
(2) 機関誌「活動理論研究」およびその他出版物の編集・刊行
(3) 活動理論研究に関するセミナー、フォーラム、その他会議の開催
(4) 活動理論研究に関する国際共同研究の推進
(5) その他、本学会の目的を達成するために必要な事業

(会員)

第4条 本学会の会員は次の2種とする。
(1) 一般会員
本学会の目的に賛同して入会した一般個人
(2) 学生会員
本学会の目的に賛同して入会した学生個人

(会費)

第5条 会員は、毎年1回年会費を納入しなければならない。
2 年会費の額は、一般会員5,000円、学生会員2,000円とする。

(入会)

第6条 本学会の会員になろうとする者は、別に定める入会申込書を提出し、会費を納入するものとする。

(退会)

第7条 会員で本学会を退会しようとする者は、退会届を提出し任意に退会することができる。

(役員)

第8条 本学会に、次の役員を置く。
(1) 会長
(2) 会計
(3) 会計監査

(役員の選出)

第9条 役員は総会で選出する。

(役員の職務)

第10条 役員は次の職務を行う。
(1) 会長は会を代表する。
(2) 会計は会の会計事務を行う。
(3) 会計監査は年度ごとの会計報告について監査を行う。

(役員の任期)

第11条 役員の任期は2年とする。ただし、再任を妨げない。

(総会)

第12条 総会は、本学会の事業および運営に関する事項を審議・決定する。
2 総会は会長が招集する。
3 前項の規定にかかわらず、会員の2分の1以上から会議の目的を記載した書面によって開催の請求があった場合には、会長は総会を招集しなければならない。
4 通常総会は年次ごとに開催する。

(事務局)

第13条 本学会の事務局は、〒564-8680 大阪府吹田市山手町3丁目3番35号 関西大学
文学部山住勝広研究室内に置く。

(会則の変更)

第14条 本会則の変更は、総会出席者の3分の2以上の同意によって行われる。

 

附則 本会則は、2015年3月3日より施行する。

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